2010年9月14日
Analog Summer
9月中旬ですが気温が30度以上あります。9月に入っても35度以上の日もあり、暑いです。この113年気温を観測していて一番暑い夏だったようです。という事はその前は観測していないので、もしかしたらこの1000年で一番、いや1万年で一番暑かったのかもしれません。とにかく暑いです。
8月のポケットワードにも書きましたが、その暑い中、一ヶ月ほとんどデジタルデバイスを触らない生活を送ってみました。仕事の合間、家族と泳ぎに行ったりのんびりと。で、結論から言うと、使わなくても大丈夫でした。たまに調べ物やカーナビとして使いましたが。実は10日くらいデジタルを断った頃に、いつもみたいに色んなサイトをちょっと見てみましたが、特に変わった事もなく、以前に見た事がある記事だなあ、というのも多かったです。実はそんなに目新しい事はないけど、習慣で見たり、安心したり、いかに普段、自分が情報を追いすぎているか、振り回されているかというのを実感しました。ちゃんとデジタルと距離を保って使っている方はこんなことはしなくてもいいと思うのですが、僕の場合は何か始めると過度になりすぎてしまうので、ちょっと距離を置いてみました。その分、他の事を考えたり、感じたり、豊かな時間が過ごせた気がします。デジタルは大好きで、様々な事を実現してくれる強い味方なので、感謝を忘れずに自分なりの距離感で使っていこうと思います。
今は10月からの芝居の稽古の真っ最中です。ネタ物、いのうえ脚本、たまらん感じがぎっしりです。ギャグ、歌、踊り、慣れない部分も多いですが、自分なりにのびのびとできればと思います。
最近思い出した好きな言葉。Think Different
2010年8月14日
DVD BOX 2010/08
いよいよ8/18に三代目明智小五郎のDVD BOXが発売されます。これで全国のみなさんに好きな時に何回も見てもらえるので嬉しいです。末長くみんなに愛される事を願って。
DVDには特典や付録も付くようです。30分×10話で見やすいですし、子供は探偵や20面相といった世界感は好きだと思うので、子供も笑えるように、プラスのエネルギーを感じるように、そしてもちろん大人も、マニアックなお笑い好きな人も楽しめるように作りました。ひねりすぎずベタすぎずの感じで。今の自分に出来る事、考えられる事を詰め込みましたので、子供も含めて幅広い人たちにぜひ見てもらいたいです。
8/18発売「三代目明智小五郎DVD-BOX」はこちらから!!!
DVDには特典や付録も付くようです。30分×10話で見やすいですし、子供は探偵や20面相といった世界感は好きだと思うので、子供も笑えるように、プラスのエネルギーを感じるように、そしてもちろん大人も、マニアックなお笑い好きな人も楽しめるように作りました。ひねりすぎずベタすぎずの感じで。今の自分に出来る事、考えられる事を詰め込みましたので、子供も含めて幅広い人たちにぜひ見てもらいたいです。
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2010年8月1日
digital life. 2010/08
パソコンなどのデジタルデバイスや最新機器が大好きなんですが、ちょっと1ヶ月くらい、使わなくても大丈夫かどうか実験してみたいと思っています。digitalian.comというドメインを持っているほどのデジタリアンなので、なおさら。
日ごろパソコン(Mac/Win)は、映像編集や音制作、写真、デザイン、本の構成、落書き、WEBデザイン、買い物、調べモノ、メール、ニュース、など様々な用途にフルに使っています。デジタルデバイスによって今まで出来なかったことが形に出来るし、そこに無限に広がる可能性を感じています。自分が考えている、感じていることを表現してくれる頼もしい道具です。形にすることで自分の事を知ったり、人に伝えられたり。
もともと機械に依存はしない、機械が無くても同じことが出来る、そういう自信があるからこそ機械を使う権利があると思って機械と付き合ってきましたが、最近は機械を使う時間も多くなって、その自信がぼやけています。それがあるととても助かるし便利。でも、その機器に触れる時間が増えすぎて、その他の日常や様々な事を五感で感じる部分が少なくなっているような気がしています。まあ、僕が機械にしろ何にしろのめり込みやすいのがプロブレムかもしれませんが。砂漠で何もなくても楽しく生きていきたい。有ることと無いことがイコールにならないと、依存していることになる。機械を使うんじゃなくて機械に使われてしまう、対等でなくなってしまう。有ることへの感謝も薄くなってしまう。
で、1ヶ月くらい、一日一度のメールチェックくらいにして、パソコンもiPhoneもiPadも触らずに、ほんの15年くらい前までの日常みたいに暮らしてみようかと思っています。それで大丈夫なら、その後、自分なりの距離で便利な機械と付き合ってこそ豊かに使えるし、使わないなら使わないでそれも豊かな時間かもしれません。15歳でマイコンを買って、今は自分的にそういう時期なのかもです。何事も極端は良くないので、適度に共存できればと思っています。一日30分だけ使っていいとか。デジカメで写真を撮ったり、日常で感じたことやアイディアをパソコンで書いたりはすると思いますが。ネットショップで何か買ったりもするかな・・・調べものとか・・・でも、情報が少なくなってもいいので、その分、他の事が自分に入ってくると思うので、ちょっと一度、徹底してやってみようと思っています。起こったことや感じたことも文章としてアウトプットして形にしないで、そのままの形で自分の中でどういう反応をして熟成をするのか、ゆっくりと楽しみたいと思います。今年の後半は年末まで舞台で、舞台は生身の体でどこまで表現できるかという世界で、舞台上と客席の間にカメラやモニターは無くて、生身の人間同士の鼓動なので、普段の生活もなるべく機器などを間にはさまずに、生身に近い感情と行動とコミュニケーションで生活して、多少マヒしているであろうその辺りの感覚を養いたいとも思います。でもまあ、最新デバイスは大好きなので、時代に逆行するのではなく、自分なりの距離感を今、考えてみたいと思います、夏。
日ごろパソコン(Mac/Win)は、映像編集や音制作、写真、デザイン、本の構成、落書き、WEBデザイン、買い物、調べモノ、メール、ニュース、など様々な用途にフルに使っています。デジタルデバイスによって今まで出来なかったことが形に出来るし、そこに無限に広がる可能性を感じています。自分が考えている、感じていることを表現してくれる頼もしい道具です。形にすることで自分の事を知ったり、人に伝えられたり。
もともと機械に依存はしない、機械が無くても同じことが出来る、そういう自信があるからこそ機械を使う権利があると思って機械と付き合ってきましたが、最近は機械を使う時間も多くなって、その自信がぼやけています。それがあるととても助かるし便利。でも、その機器に触れる時間が増えすぎて、その他の日常や様々な事を五感で感じる部分が少なくなっているような気がしています。まあ、僕が機械にしろ何にしろのめり込みやすいのがプロブレムかもしれませんが。砂漠で何もなくても楽しく生きていきたい。有ることと無いことがイコールにならないと、依存していることになる。機械を使うんじゃなくて機械に使われてしまう、対等でなくなってしまう。有ることへの感謝も薄くなってしまう。
で、1ヶ月くらい、一日一度のメールチェックくらいにして、パソコンもiPhoneもiPadも触らずに、ほんの15年くらい前までの日常みたいに暮らしてみようかと思っています。それで大丈夫なら、その後、自分なりの距離で便利な機械と付き合ってこそ豊かに使えるし、使わないなら使わないでそれも豊かな時間かもしれません。15歳でマイコンを買って、今は自分的にそういう時期なのかもです。何事も極端は良くないので、適度に共存できればと思っています。一日30分だけ使っていいとか。デジカメで写真を撮ったり、日常で感じたことやアイディアをパソコンで書いたりはすると思いますが。ネットショップで何か買ったりもするかな・・・調べものとか・・・でも、情報が少なくなってもいいので、その分、他の事が自分に入ってくると思うので、ちょっと一度、徹底してやってみようと思っています。起こったことや感じたことも文章としてアウトプットして形にしないで、そのままの形で自分の中でどういう反応をして熟成をするのか、ゆっくりと楽しみたいと思います。今年の後半は年末まで舞台で、舞台は生身の体でどこまで表現できるかという世界で、舞台上と客席の間にカメラやモニターは無くて、生身の人間同士の鼓動なので、普段の生活もなるべく機器などを間にはさまずに、生身に近い感情と行動とコミュニケーションで生活して、多少マヒしているであろうその辺りの感覚を養いたいとも思います。でもまあ、最新デバイスは大好きなので、時代に逆行するのではなく、自分なりの距離感を今、考えてみたいと思います、夏。
2010年7月9日
eBook 2010/07
2008/12~2010/07のPocket Wordを試しにiPhone,iPad用に電子ブック化しました。下記のリンク先からダウンロードして iTunesでiPhoneやiPadに入れてiBooksアプリでお楽しみください。パソコン用のepubリーダーソフトでも読めます。
電子ブックダウンロード!
http://tanave.comに5年前に書いた短編小説をiPhone,iPad用に電子ブックにしました。ダウンロードしてお楽しみください
iPad,iPhoneのiBooksアプリ用→ http://bit.ly/8XMHTG
パソコン用の縦書PDFはこちら→ http://bit.ly/dyR4zj
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まだまだ明智! 2010/07
明智中五郎制作日誌。8月18日にDVD BOXが発売されて広く大勢の方に見ていただけるようになるので、もう少しこのネタをひっぱらせていただきます!
撮影が始まってから気をつけたのは、見ている人との信頼関係です。アホな事を全力以上でやるんだけど、やりたい性分なんだけど、やってしまうんだけど、どこかで分かっている部分もあるという常識的な部分を作りました。ただのアホではなくて分かった上でのアホ、結果アホ。4話の学校の体育館でも、天井に大きな影が見えて、そして天井から何かが降ってくる、それを落としたヤツを推理しているときに中五郎は「プテラノドンだ、プテラノドンが口にくわえたモノを僕に向かって落としたんだ!」と言うところがありますが、これを本気で言っていると、中五郎の発言に対する信頼がなくなるので、その後、小林少女が「そんなわけないですよね」と言うのですが、その後に中五郎の「だよね・・」というセリフを足しました。思いつきで本気で言っている部分と分かっている部分、その上で間抜けという。自分の性格と実力の中で、アホをやって楽しむしかないという生き方。本気でアホだと全体の説得力が薄れますが、分かっていてアホの方が面白いし、ある種の切なさも出るので。でも本当に分かっていると冷静になってしまうので、7:3くらいのバランスで3割くらい分かっている感じで。
8話でも象徴的で好きなセリフがあるんですが、20面相が予告した時間に探偵事務所に現れる、どう迎え撃って捕まえるか、という場面で中五郎は「秘密兵器を作ってあります!」と言い、ねずみ取りを出して玄関に仕掛けるのですが、そこで小林少女に「本気でこれで捕まえられると思ってるんですか?」と聞かれます。本番ぎりぎりまで考えて、そこに「半分、本気です!」というセリフを入れました。これは中五郎を象徴しているというか、分かってるけど、半分本気、捕まるわけないと思ってるけど、もしかしたら!、みたいなバランスを上手く出せたかなと思いました。それを実行してしまうバカらしさ。楽しんでいる姿。まあ、本当は3割くらいしか分かってないんですが、半分は分かっているんだという見栄も張っています。プロデューサーを始め、スタッフ、脚本家の発想や方向性、柔軟性が素晴らしく、その基礎の上でみっちりと作り込めました。今回は俳優としてだけではなく、脚色・ギャグ構成スタッフとしても参加させて頂いたので、時間の許される限り、すべてのセリフ、すべてのカットをこういう感じでスタッフと考えに考えて立体的に作ってきたので、まだまだ語りたいことはいっぱいありますが、DVD BOXでいろいろ楽しんでもらえると嬉しいです。
撮影が始まってから気をつけたのは、見ている人との信頼関係です。アホな事を全力以上でやるんだけど、やりたい性分なんだけど、やってしまうんだけど、どこかで分かっている部分もあるという常識的な部分を作りました。ただのアホではなくて分かった上でのアホ、結果アホ。4話の学校の体育館でも、天井に大きな影が見えて、そして天井から何かが降ってくる、それを落としたヤツを推理しているときに中五郎は「プテラノドンだ、プテラノドンが口にくわえたモノを僕に向かって落としたんだ!」と言うところがありますが、これを本気で言っていると、中五郎の発言に対する信頼がなくなるので、その後、小林少女が「そんなわけないですよね」と言うのですが、その後に中五郎の「だよね・・」というセリフを足しました。思いつきで本気で言っている部分と分かっている部分、その上で間抜けという。自分の性格と実力の中で、アホをやって楽しむしかないという生き方。本気でアホだと全体の説得力が薄れますが、分かっていてアホの方が面白いし、ある種の切なさも出るので。でも本当に分かっていると冷静になってしまうので、7:3くらいのバランスで3割くらい分かっている感じで。
8話でも象徴的で好きなセリフがあるんですが、20面相が予告した時間に探偵事務所に現れる、どう迎え撃って捕まえるか、という場面で中五郎は「秘密兵器を作ってあります!」と言い、ねずみ取りを出して玄関に仕掛けるのですが、そこで小林少女に「本気でこれで捕まえられると思ってるんですか?」と聞かれます。本番ぎりぎりまで考えて、そこに「半分、本気です!」というセリフを入れました。これは中五郎を象徴しているというか、分かってるけど、半分本気、捕まるわけないと思ってるけど、もしかしたら!、みたいなバランスを上手く出せたかなと思いました。それを実行してしまうバカらしさ。楽しんでいる姿。まあ、本当は3割くらいしか分かってないんですが、半分は分かっているんだという見栄も張っています。プロデューサーを始め、スタッフ、脚本家の発想や方向性、柔軟性が素晴らしく、その基礎の上でみっちりと作り込めました。今回は俳優としてだけではなく、脚色・ギャグ構成スタッフとしても参加させて頂いたので、時間の許される限り、すべてのセリフ、すべてのカットをこういう感じでスタッフと考えに考えて立体的に作ってきたので、まだまだ語りたいことはいっぱいありますが、DVD BOXでいろいろ楽しんでもらえると嬉しいです。
2010年6月18日
中五郎 2010/06
連続ドラマ「三代目明智小五郎」のレギュラー放送も無事に終了しました。出演・作り手としてもほっと一息です。作ったからには一人でも多くの人に見てもらいたいのですが、深夜ドラマで放送地域も限られていました(関東、大阪、香川、山陽、長崎)、なので本当に多くのみなさんに見ていただけるのは8月4日発売のDVD BOXからではないかと思っています。高密度で作った30分×10話、ぜひ一家に一枚、永久保存版で!
まず、今回のドラマを作るに当たって、18年の役者生活の中で、初めてスタッフとしてドラマ作りに少しだけ参加させていただきました。関わった部分は主にギャグのアイディア出しと構成です。撮影の間、日々、夜中までスタッフ、脚本家さんとアイディアを練っていました。目指すところは、誰もが疲れている深夜に、笑ってくつろげて、明日もがんばろうと思えるドラマ。可愛くて痛くなくてほのぼの出来る作品。
僕は子供のころからずっとギャグを追い求めてきたので、自分の好きなギャグで、パターン的に恥ずかしくないもので、狭すぎず広すぎず、健康的で誰も攻撃せずに大人も子供も楽しめる笑いを目指しました。特に最近は実写で子供が笑って楽しめるドラマが少ないので、深夜ドラマですが、再放送やDVDなど長い目で考えて、子供も楽しめるもの、ワクワクして内容も理解できて害のないもの、でも子供だましにならずに、大人も、特にお笑い好きの人も楽しめるものを目指しました。近いイメージは昔放送していたウゴウゴルーガです。ジャンルは違いますが、大人も子供も恥ずかしくなく楽しめるもの。あくまで狭いところに入り込まないで、みんなが理解できる笑い、でも見たことのない、10年後にも耐えられるクオリティと新しいパターンの創作を心がけました。コントとドラマの中間で、あくまでドラマ寄りになるように。
自分たちが考える面白いであろう事を、面白がって作らずに、あくまで真摯に冷静にストーリーとギャグを積み上げる。ニュートラルにお客さんが受け取れるように、それぞれが楽しんで解釈できるように、そしてこの世界を受け入れて、好きになってもらえるように、でも媚びずに、自分たちの信じた通りに。ドラマ上の嘘を極力減らして、死んだ人間が生き返るという大虚構の設定なので、それ以外の部分の感情や行動はリアルに。ボケられる所は最大限以上にボケて、でも核と品がぼやけないように、感情と行動をリアルに、見ている人がこの作りを信頼できるように。
で、見ている人が突っ込めるように。ツッコミは作り手とお客さんの大切なコミュニケーションなので、その部分を大切にしました。例えば、自転車を使いたいと思ってスタッフに自転車を用意してもらいじっくり眺める、ツッコミ所をさがす。普通の自転車はツッコミ所がないので、これがどうだったら残念か、自転車としてどこまでボケられるのかが勝負。まずは補助輪を付ける、「なんで補助輪っ!」とツッコミポイントが生まれる。その時点でもう普通の自転車ではなく「中五郎の自転車」になる。大人になっても自転車が乗れない、近所の人はどう見ているのか、でも乗らなくてはならない、幼少のころはどうだったのか、色々な想像が膨らむ。ウィンカーも付ける、ハンドルも高ーいカマキリ型、背もたれ、で、バイクみたいなマフラーを付けるかどうか迷ったけど、やめました。過多になりすぎるとボケが主な目的になってしまい、方向がぼやけてしまうので、バランスを大切にしました。20面相のマントも何か足りないなあと思ってずーっと見ていて、この人は謎めいた人だけど、どこか知ってもらいたい、でも謎でいたいという複雑な感情を持っているんじゃないかと思い、背中に20という文字を入れると面白いなあと思いました。それによってテレビを見ている誰もが20面相と分かって、それなのに中五郎は気付いていないで、そして本人は謎のつもりでいて、でもちょっと自己主張があって、という幾層かのボケと性格作りができるなあと思いました。
そんなこんなの10本があって、最終的には、このドラマらしい、新しい場所に着地できたのではないかと思っています。新しい課題も見えてきましたが、全般を通してほぼ自分のやりたいことが出来ました。2日で30分ドラマ1本を撮影(通常の1時間ドラマは5〜6日で1本、さらにこのドラマは通常のドラマよりスタッフの数が3分の1でした。)なのでハードな日々でしたが、後から「ああすれば良かった」と思う部分は1カットもなく、全力疾走でしたが、周囲の景色もちゃんと見て楽しみながら走りきった感じです。素の自分に近い感じで作ることが出来たので、中五郎のキャラも演じていて楽しかったです。これからDVD発売もありますし、各地域で再放送などがありましたら、末長く楽しんでいただければ嬉しいです!
三代目明智小五郎DVD BOX@Amazon
まず、今回のドラマを作るに当たって、18年の役者生活の中で、初めてスタッフとしてドラマ作りに少しだけ参加させていただきました。関わった部分は主にギャグのアイディア出しと構成です。撮影の間、日々、夜中までスタッフ、脚本家さんとアイディアを練っていました。目指すところは、誰もが疲れている深夜に、笑ってくつろげて、明日もがんばろうと思えるドラマ。可愛くて痛くなくてほのぼの出来る作品。
僕は子供のころからずっとギャグを追い求めてきたので、自分の好きなギャグで、パターン的に恥ずかしくないもので、狭すぎず広すぎず、健康的で誰も攻撃せずに大人も子供も楽しめる笑いを目指しました。特に最近は実写で子供が笑って楽しめるドラマが少ないので、深夜ドラマですが、再放送やDVDなど長い目で考えて、子供も楽しめるもの、ワクワクして内容も理解できて害のないもの、でも子供だましにならずに、大人も、特にお笑い好きの人も楽しめるものを目指しました。近いイメージは昔放送していたウゴウゴルーガです。ジャンルは違いますが、大人も子供も恥ずかしくなく楽しめるもの。あくまで狭いところに入り込まないで、みんなが理解できる笑い、でも見たことのない、10年後にも耐えられるクオリティと新しいパターンの創作を心がけました。コントとドラマの中間で、あくまでドラマ寄りになるように。
自分たちが考える面白いであろう事を、面白がって作らずに、あくまで真摯に冷静にストーリーとギャグを積み上げる。ニュートラルにお客さんが受け取れるように、それぞれが楽しんで解釈できるように、そしてこの世界を受け入れて、好きになってもらえるように、でも媚びずに、自分たちの信じた通りに。ドラマ上の嘘を極力減らして、死んだ人間が生き返るという大虚構の設定なので、それ以外の部分の感情や行動はリアルに。ボケられる所は最大限以上にボケて、でも核と品がぼやけないように、感情と行動をリアルに、見ている人がこの作りを信頼できるように。
で、見ている人が突っ込めるように。ツッコミは作り手とお客さんの大切なコミュニケーションなので、その部分を大切にしました。例えば、自転車を使いたいと思ってスタッフに自転車を用意してもらいじっくり眺める、ツッコミ所をさがす。普通の自転車はツッコミ所がないので、これがどうだったら残念か、自転車としてどこまでボケられるのかが勝負。まずは補助輪を付ける、「なんで補助輪っ!」とツッコミポイントが生まれる。その時点でもう普通の自転車ではなく「中五郎の自転車」になる。大人になっても自転車が乗れない、近所の人はどう見ているのか、でも乗らなくてはならない、幼少のころはどうだったのか、色々な想像が膨らむ。ウィンカーも付ける、ハンドルも高ーいカマキリ型、背もたれ、で、バイクみたいなマフラーを付けるかどうか迷ったけど、やめました。過多になりすぎるとボケが主な目的になってしまい、方向がぼやけてしまうので、バランスを大切にしました。20面相のマントも何か足りないなあと思ってずーっと見ていて、この人は謎めいた人だけど、どこか知ってもらいたい、でも謎でいたいという複雑な感情を持っているんじゃないかと思い、背中に20という文字を入れると面白いなあと思いました。それによってテレビを見ている誰もが20面相と分かって、それなのに中五郎は気付いていないで、そして本人は謎のつもりでいて、でもちょっと自己主張があって、という幾層かのボケと性格作りができるなあと思いました。
そんなこんなの10本があって、最終的には、このドラマらしい、新しい場所に着地できたのではないかと思っています。新しい課題も見えてきましたが、全般を通してほぼ自分のやりたいことが出来ました。2日で30分ドラマ1本を撮影(通常の1時間ドラマは5〜6日で1本、さらにこのドラマは通常のドラマよりスタッフの数が3分の1でした。)なのでハードな日々でしたが、後から「ああすれば良かった」と思う部分は1カットもなく、全力疾走でしたが、周囲の景色もちゃんと見て楽しみながら走りきった感じです。素の自分に近い感じで作ることが出来たので、中五郎のキャラも演じていて楽しかったです。これからDVD発売もありますし、各地域で再放送などがありましたら、末長く楽しんでいただければ嬉しいです!
三代目明智小五郎DVD BOX@Amazon
2010年5月17日
旅の記録 2010/05
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☆ニューヨーク
5月上旬の1週間ほど、雑誌UOMOの撮影でニューヨークへ。1年半ぶりで3度目。初めて行ったのは1992年の冬で23歳の時、men'snon-noの撮影で。2回目は2008年の12月、映画ハッピーフライトの上映イベントで。2回とも寒い時期だったので厚着をしていてコートが重かった。ニューヨークの冬は寒い。1992年に行った時は街中のマンホールから白い蒸気が出ていて冬のニューヨークっぽい風景だったけど、2008年の冬は蒸気が出ているところは少なかった。とにかく地面から突き上げるような寒さ。
海外だとホテルでじっとしている事は無いのでとにかく一日中歩き回る。荷物は少なく軽く歩きやすい靴で。今回は暖かい季節なので軽装で動きやすかった。ニューヨークは活気があって世界の中心と言われるだけのエネルギーが感じられる。観光としては2〜3日あれば見て回れるし、ヨーロッパのように街中に気軽に入れるカフェがない、なのでお茶をするのにもちゃんとしたビルの中のお店に入らなければいけないので精神的にも体力的にもヨーロッパに比べるとビジーになるけど、やはりこの街の活気とエネルギーには魅かれる部分があります。
☆飛行機
出発は日本時間の午前11時。到着は現地時間の同日の午前11時、つまり出発と到着が同じ時間!時差が13時間あって飛行時間が13時間なのでそうなるのですが、ちょっと不思議な気分。日本から直行で行ける場所としては最も長い時間のフライトではないだろうか、ヨーロッパでも12時間台なので。
飛行機が離陸する午前11時はニューヨーク時間で夜の10時、離陸して3時間位して寝れば、NY時間で午前1時に寝たことになる。そして8時間眠れれば、午前9時に起きることになるので、現地時間の11時に到着すれば、そのまま時差を最小限に出来る。問題は離陸して3時間後は日本時間で午後2時なので、その時間に寝れるかということだったけど、前日の睡眠時間を5時間くらいにしておいたし、まあお酒を飲んで、いつでもどこでも10秒で眠れる体質なので、大丈夫でした。
到着してから帰国するまで、時差は無く過ごせました。日本に帰ってきてから2〜3日はちょっと時差を感じて昼夜逆転していましたが。帰ってきてから、朝にお菓子を食べたくなって、まあNYは夕方だし、と自分に言い聞かせて食べたり・・。
☆ホテル
旅で大切なのはホテルの環境。海外ではホテルは眠りに帰ってくるだけで一日中外を歩き回りますが(リゾート地を除く)、やはり睡眠環境は大切。今回はBroadway,29th stのAceHotel。場所もミッドタウンのエンパイヤステートビルの近くで、アップタウンもダウンタウンも行きやすくて便利でした。リノベーションしたデザインホテルで、デザインホテルにありがちなプラスチッキーな質感ではなく、ウッディな感じでヨーロッパっぽくて落ち着けました。無線LANも無料。ロビーやB1で週末はクラブがあるらしく、いつもロビーはスノッブな人たちであふれ返っていました。ロビーにはいつもノートパソコンをテーブルに広げた男女が30人くらいいるんですが、95%MACなのがニューヨークっぽかったです。Big Apple,Manhattan,gotham.
☆街
92年には行ったのですが、08年には行かなかった自由の女神とエンパイヤステートビルに行きました。自由の女神はやはりテンションが上がります。存在感が凄い。マンハッタン下のバッテリーパークから船に乗って20分くらいで自由の女神があるリバティ島に到着。18年ぶりの再会でした。
エンパイヤステートビルも夜景を目当てに。昼間はチケットを買って上るまでに2時間待ちも珍しくないと聞いていたので、事前にネットでチケットを購入。チケットがあればチケットブースの列に並ばなくていいので、エレベーターに直行できるらしい。でも、行った時間が夜の12時くらいだったので(ビル自体は夜中の2時まで営業)、チケットブースもエレベーターも人はいなくて空いていました。
夜景は、やはり素晴らしい。昔、ハドソン川を渡った隣のニュージャージーから見たマンハッタンの夜景も素晴らしかったですが、マンハッタンのど真ん中で見る夜景もアンビリーバブルです。
他の日にロックフェラーセンターのtop of rockにも登りましたが、ここから見る昼間のNYの景色も圧巻でした。NYは氷河期の岩盤で出来ているので、地面も平坦で、その中に大きく存在するセントラルパークの緑がいいアクセントになっています。本当にエネルギーのかたまりみたいな街です。
☆ブロードウェイ
ブロードウェイは道路の名前で、国道一号線みたいな物ですが、ブロードウェイと42-45stが交差するあたりがタイムズスクエアで、ミュージカル劇場が集まっています。前回来た時に「オペラ座の怪人」や「シカゴ」を見ました。ブロードウェイミュージカルを見るのは前回が初めてだったのですが、その表現力や構成などに感動しました。なので、今回もミュージカルを見たいと思って事前に日本で「リトルダンサー(邦題)」という映画を見て、現地で「ビリーエリオット(原題)」というミュージカルを見ました。全ての出演者、子供たちが素晴らしく、ほんっとーに感動しました。主人公の友達の最後のセリフ「ヘイ、ダンシングボーイ」のセリフで涙が。笑いあり感動有りでお勧めです(映画は絶対に見てから行ったほうがいいです)。
ミュージカルはTKTSというディスカウントチケット屋さんで半額ぐらいでチケットが売っているんですが、本当に好きな人ならば、劇場の窓口で正規の値段ですが、買ったほうが少しでもいい席がとれます。それで芝居の印象が大分違うので。他にアベニューQという芝居も観たかったのですが、ブロードウェイでは終わっていて、オフブロードウェイに戻っていました。他のミュージカルを見る時間は無かったのですが、マンハッタンの近くの島でシルク・ド・ソレイユの新作がやっていたので船に乗って見に行きました。昆虫をテーマにした新作で、サーカス小屋独特の不思議な雰囲気が楽しかったです。ミュージカルもサーカスも夜の公演は23時くらいに終わるのですが、子供たちがいっぱい見に来ていたのが印象的でした。
☆撮影
今回は雑誌UOMOのコーチ特集の撮影でNYへ。コーチのmen'sの路面店が初めて出来たらしいです。お世辞抜きで最近のコーチのバッグはいいです。革の質感もいいし、デザインもシンプルだけど味があって、値段も丁度よくて、普段持ちやすい感じです。ある程度の年齢になるとバッグ選びは難しくなってきますが、これなら大丈夫。アメリカ発の歴史と信頼のあるブランドなので安心感もあります。
撮影ではいろんな所に行きました。今回は僕も一眼レフカメラを持っていったので、撮影の合間や自由時間に自分でカメラを構えて写真を撮りました。僕たちが普段イメージするNYも、実際には人々が普通に生活している街なので、そういう風景を撮るのが面白かったです。エンパイヤステートビルから見える街に暮らす人々の日常の風景、生活感、息吹。
☆iPad
仕事以外での今回の最大の目的でした。日本では5月下旬の発売なので、ひと足早く。アメリカ版を買っておけばアメリカに来た時にこっちの3G回線で使えるので。日本では日本版を買うとして。で、結果としてはNY滞在中は売り切れで買えませんでした・・・。
NYに到着して直ぐにSOHOのApple Storeへ。売り切れ。店員さんに聞いてみると予約が必要とのこと。早速予約、入荷したらメールでお知らせが来るようです。他にも3店舗のApple Storeに行きましたが見事に売り切れ。欲しかった・・。だれかのキャンセルや入荷があるかもしれないと思い、たびたびapple storeやbest buyに行ったんですがありませんでした。13日に成田に帰国して直ぐに「入荷したので5番街のApple storeに取りに来てください」とのメールが・・・・
仕事で50ページくらいのPDFやWARDのデータが来ることがあるんですが、一回読むだけの書類なのでプリントするのももったいないし、パソコンの画面で50ページ読むのは体勢的に疲れるし、iPadだと手のひらの中で(本みたいに)読めるので、読みやすそうだなと。他にもいろいろ使えそうですが、正直、iPadの使い方は持ってから考えるかなと。新しいデバイスなので何をすればいいのか疑問に思う意見も多いそうですが・・・。
パソコンを使っていない人から「パソコンって何ができるの?」と聞かれてどう答えれば一番いいのか考える時があります。「とりあえずメールやwebだけでも楽しいよ!」と答えるようにしています。その気になればその先に、映像編集やデザイン、写真、音楽など、目的があれば、趣味でも仕事でもパソコンは便利な道具になって自分を表現してくれます。10万円のパソコンで劇場公開映画も作れるし、世界を変えるアートや文章を作る事も。iPadも同じような気がします。「iPadって何ができるの?」というよりも、実際に使い始めて何をしたいのか、何が出来るのかが見えてくれば可能性は広がる気がします。広場があって「ここで何が出来るの?何をすれば?何で広場があるの?」と聞くよりも、その場所で自分がやりたい事を。出来ない事もあるけど、でも工夫と好奇心で楽しむ事は充分にできると思います。iPadはそういう新しい広場な気がします。
☆美術館
今回はMoMAとメトロポリタン美術館へ。MoMAの企画展とメトロポリタンのエジプトのコーナーが面白かった。アートは、その作品にいかに自分を写し込めるか、作者の思いをくみ取れるか、そこに照らし合わせて、自分の中に何が見えるのか、感じるのか、だと思いました。
MoMAの企画展で、一人の女性アーティストが椅子に座って、希望者が彼女の前にある椅子に座って、ずっと見つめあっているというパフォーマンスをしていました。お客さんは好きなだけ彼女の前の椅子に座っていていいようです。僕が行った時は、ちょうど椅子には誰も座っていなくて、すぐに次のお客さんが座って、パフォーマンスが始まりました。そのお客さんは結局50分くらい座っていて、目と目を見つめあっていました。その間、二人ともに目をそらさないで座っているのです。僕もそばからずっと見ていました。アーティストと、その前に座っている人の心の微妙な変化を感じました。同時に僕の中にも変化を感じました。不思議なフィーリングです。50分くらいすると、ふいにお客さんは立ち上がって、すっとどこかに行きました。最後は一体感がありました。始めは緊張感や探り合う空気がありましたが、それが、ただ目を見つめているだけで変化する、変化したように感じる自分がいるということが面白くて、心を映せることがアートだと思いました。上手く説明できませんが。そしてまた次のおじさんがその椅子に座りました。彼は15分くらいで席を立ちました。心のトリートメントに近い感じがしました。
僕が以前に監督した「LIFE」という映画は美術館で(今はモニターもフラットで壁にかけられるし、9分なので簡単に見られるし、セリフもないのでどこの国の人も内容が分かるので)、絵と一緒に飾って100年後までも見て欲しいと思って作ったので、 こういう所で他のアートと一緒に見て欲しいなあと思います。
このEXHIBITIONのページ。今月いっぱいは生中継しています。
http://www.moma.org/visit/calendar/exhibitions/965
☆NYの感想
ある場所に行くことになった時に、自分にとって「どういう意味があるんだろう?」と考えます。なぜその場所に行くのか。行くことになったのか。
普段行って落ち着くのはヨーロッパで、時間の流れ方もゆっくりだし、芸術が溢れているし、カフェもいっぱいあるので休みながら自分のペースで過ごせます。芸術面ではやはりパリが世界の中心だなあと思います。で、ニューヨークはやはりビジネスの街です。そういう意味でこちらも紛れなく世界の中心で、時間の流れも速いし、世界中で動いている経済活動の息をダイレクトに感じます。NYにいると、舞台の上に立っている気分になります。世界という名の芝居、自分という名の芝居のステージに立っている感覚。きっと誰もがそう思えてしまう不思議な街。
ニューヨークは僕が23歳の時、自分が何の職業に就くか悩んでいた頃に初めて行きました。役者になるか、映像製作の会社に入るか悩んでいた時期です。
当時、ニュージャージー側から夜のマンハッタンを見ていて、輝く光を見ていたら、自分もがんばらないと、この光に飛び込もうと思いました。その光の中には大勢の人がいて、みんな楽しく幸せになるために生きている。僕も走り始めないと、と思いました。「考えていてもしょうがない、走り始めよう!走り始めて、まわりの景色が見えるようになったら、行き先を決めればいい、とにかく動こう!」と。色々と頭で考えてしまっていた自分の背中を押してくれた街です。まずは役者の道をスタートさせて、その後、運良く監督業も始められました。僕がやりたいことは、芸術の面も有り、多くの人に見てもらうためにビジネスの面も成立させなければなりません。その空気を、たまにパリやニューヨークで感じさせてもらっている気がします。最近やっと、走る事の楽しさが少しずつ分かってきました。自分という名の舞台に立つ面白さが分かり始めた気がします。
最初の決意から16年後、2008年にハッピーフライトというメジャー映画で主演作品を撮り終えた時にNYに久しぶりに来ました。そして今回、「三代目明智小五郎」という連続ドラマの主演作を無事に完成させたタイミングでまた来ました(NYは3回とも仕事で)。ドラマは自分なりに満足の行く内容になりました。とことんまでコメディを追求できる作品でした。見た人が幸せな楽しい気分になれて、その上で少しだけ人生に秘められた大切な何かを感じられる作品。子供の頃からコメディが好きで、10代でコントを作り始め、役者をやり始めてからも、人生の多様な面を表現するために、様々な感情や出来事に隠されたコメディの部分を追求してきましたが、この作品で自分なりにやりきった感じがあるので、これからは役者として、また違う部分を追求していくような気がしています。そういう意味で今回のNYは、次の段階に行こう!というタイミングだという気がします。また初心を思い出して、自分なりにこの世界を泳いでいく。これからもしっかりと前を見て歩いていこうと思いました。のんびりした性格なので、時には走って、休息して、進む、と。
旅の向こう側へ。
Life is Journey for fun.
☆ニューヨーク
5月上旬の1週間ほど、雑誌UOMOの撮影でニューヨークへ。1年半ぶりで3度目。初めて行ったのは1992年の冬で23歳の時、men'snon-noの撮影で。2回目は2008年の12月、映画ハッピーフライトの上映イベントで。2回とも寒い時期だったので厚着をしていてコートが重かった。ニューヨークの冬は寒い。1992年に行った時は街中のマンホールから白い蒸気が出ていて冬のニューヨークっぽい風景だったけど、2008年の冬は蒸気が出ているところは少なかった。とにかく地面から突き上げるような寒さ。
海外だとホテルでじっとしている事は無いのでとにかく一日中歩き回る。荷物は少なく軽く歩きやすい靴で。今回は暖かい季節なので軽装で動きやすかった。ニューヨークは活気があって世界の中心と言われるだけのエネルギーが感じられる。観光としては2〜3日あれば見て回れるし、ヨーロッパのように街中に気軽に入れるカフェがない、なのでお茶をするのにもちゃんとしたビルの中のお店に入らなければいけないので精神的にも体力的にもヨーロッパに比べるとビジーになるけど、やはりこの街の活気とエネルギーには魅かれる部分があります。
☆飛行機
出発は日本時間の午前11時。到着は現地時間の同日の午前11時、つまり出発と到着が同じ時間!時差が13時間あって飛行時間が13時間なのでそうなるのですが、ちょっと不思議な気分。日本から直行で行ける場所としては最も長い時間のフライトではないだろうか、ヨーロッパでも12時間台なので。
飛行機が離陸する午前11時はニューヨーク時間で夜の10時、離陸して3時間位して寝れば、NY時間で午前1時に寝たことになる。そして8時間眠れれば、午前9時に起きることになるので、現地時間の11時に到着すれば、そのまま時差を最小限に出来る。問題は離陸して3時間後は日本時間で午後2時なので、その時間に寝れるかということだったけど、前日の睡眠時間を5時間くらいにしておいたし、まあお酒を飲んで、いつでもどこでも10秒で眠れる体質なので、大丈夫でした。
到着してから帰国するまで、時差は無く過ごせました。日本に帰ってきてから2〜3日はちょっと時差を感じて昼夜逆転していましたが。帰ってきてから、朝にお菓子を食べたくなって、まあNYは夕方だし、と自分に言い聞かせて食べたり・・。
☆ホテル
旅で大切なのはホテルの環境。海外ではホテルは眠りに帰ってくるだけで一日中外を歩き回りますが(リゾート地を除く)、やはり睡眠環境は大切。今回はBroadway,29th stのAceHotel。場所もミッドタウンのエンパイヤステートビルの近くで、アップタウンもダウンタウンも行きやすくて便利でした。リノベーションしたデザインホテルで、デザインホテルにありがちなプラスチッキーな質感ではなく、ウッディな感じでヨーロッパっぽくて落ち着けました。無線LANも無料。ロビーやB1で週末はクラブがあるらしく、いつもロビーはスノッブな人たちであふれ返っていました。ロビーにはいつもノートパソコンをテーブルに広げた男女が30人くらいいるんですが、95%MACなのがニューヨークっぽかったです。Big Apple,Manhattan,gotham.
☆街
92年には行ったのですが、08年には行かなかった自由の女神とエンパイヤステートビルに行きました。自由の女神はやはりテンションが上がります。存在感が凄い。マンハッタン下のバッテリーパークから船に乗って20分くらいで自由の女神があるリバティ島に到着。18年ぶりの再会でした。
エンパイヤステートビルも夜景を目当てに。昼間はチケットを買って上るまでに2時間待ちも珍しくないと聞いていたので、事前にネットでチケットを購入。チケットがあればチケットブースの列に並ばなくていいので、エレベーターに直行できるらしい。でも、行った時間が夜の12時くらいだったので(ビル自体は夜中の2時まで営業)、チケットブースもエレベーターも人はいなくて空いていました。
夜景は、やはり素晴らしい。昔、ハドソン川を渡った隣のニュージャージーから見たマンハッタンの夜景も素晴らしかったですが、マンハッタンのど真ん中で見る夜景もアンビリーバブルです。
他の日にロックフェラーセンターのtop of rockにも登りましたが、ここから見る昼間のNYの景色も圧巻でした。NYは氷河期の岩盤で出来ているので、地面も平坦で、その中に大きく存在するセントラルパークの緑がいいアクセントになっています。本当にエネルギーのかたまりみたいな街です。
☆ブロードウェイ
ブロードウェイは道路の名前で、国道一号線みたいな物ですが、ブロードウェイと42-45stが交差するあたりがタイムズスクエアで、ミュージカル劇場が集まっています。前回来た時に「オペラ座の怪人」や「シカゴ」を見ました。ブロードウェイミュージカルを見るのは前回が初めてだったのですが、その表現力や構成などに感動しました。なので、今回もミュージカルを見たいと思って事前に日本で「リトルダンサー(邦題)」という映画を見て、現地で「ビリーエリオット(原題)」というミュージカルを見ました。全ての出演者、子供たちが素晴らしく、ほんっとーに感動しました。主人公の友達の最後のセリフ「ヘイ、ダンシングボーイ」のセリフで涙が。笑いあり感動有りでお勧めです(映画は絶対に見てから行ったほうがいいです)。
ミュージカルはTKTSというディスカウントチケット屋さんで半額ぐらいでチケットが売っているんですが、本当に好きな人ならば、劇場の窓口で正規の値段ですが、買ったほうが少しでもいい席がとれます。それで芝居の印象が大分違うので。他にアベニューQという芝居も観たかったのですが、ブロードウェイでは終わっていて、オフブロードウェイに戻っていました。他のミュージカルを見る時間は無かったのですが、マンハッタンの近くの島でシルク・ド・ソレイユの新作がやっていたので船に乗って見に行きました。昆虫をテーマにした新作で、サーカス小屋独特の不思議な雰囲気が楽しかったです。ミュージカルもサーカスも夜の公演は23時くらいに終わるのですが、子供たちがいっぱい見に来ていたのが印象的でした。
☆撮影
今回は雑誌UOMOのコーチ特集の撮影でNYへ。コーチのmen'sの路面店が初めて出来たらしいです。お世辞抜きで最近のコーチのバッグはいいです。革の質感もいいし、デザインもシンプルだけど味があって、値段も丁度よくて、普段持ちやすい感じです。ある程度の年齢になるとバッグ選びは難しくなってきますが、これなら大丈夫。アメリカ発の歴史と信頼のあるブランドなので安心感もあります。
撮影ではいろんな所に行きました。今回は僕も一眼レフカメラを持っていったので、撮影の合間や自由時間に自分でカメラを構えて写真を撮りました。僕たちが普段イメージするNYも、実際には人々が普通に生活している街なので、そういう風景を撮るのが面白かったです。エンパイヤステートビルから見える街に暮らす人々の日常の風景、生活感、息吹。
☆iPad
仕事以外での今回の最大の目的でした。日本では5月下旬の発売なので、ひと足早く。アメリカ版を買っておけばアメリカに来た時にこっちの3G回線で使えるので。日本では日本版を買うとして。で、結果としてはNY滞在中は売り切れで買えませんでした・・・。
NYに到着して直ぐにSOHOのApple Storeへ。売り切れ。店員さんに聞いてみると予約が必要とのこと。早速予約、入荷したらメールでお知らせが来るようです。他にも3店舗のApple Storeに行きましたが見事に売り切れ。欲しかった・・。だれかのキャンセルや入荷があるかもしれないと思い、たびたびapple storeやbest buyに行ったんですがありませんでした。13日に成田に帰国して直ぐに「入荷したので5番街のApple storeに取りに来てください」とのメールが・・・・
仕事で50ページくらいのPDFやWARDのデータが来ることがあるんですが、一回読むだけの書類なのでプリントするのももったいないし、パソコンの画面で50ページ読むのは体勢的に疲れるし、iPadだと手のひらの中で(本みたいに)読めるので、読みやすそうだなと。他にもいろいろ使えそうですが、正直、iPadの使い方は持ってから考えるかなと。新しいデバイスなので何をすればいいのか疑問に思う意見も多いそうですが・・・。
パソコンを使っていない人から「パソコンって何ができるの?」と聞かれてどう答えれば一番いいのか考える時があります。「とりあえずメールやwebだけでも楽しいよ!」と答えるようにしています。その気になればその先に、映像編集やデザイン、写真、音楽など、目的があれば、趣味でも仕事でもパソコンは便利な道具になって自分を表現してくれます。10万円のパソコンで劇場公開映画も作れるし、世界を変えるアートや文章を作る事も。iPadも同じような気がします。「iPadって何ができるの?」というよりも、実際に使い始めて何をしたいのか、何が出来るのかが見えてくれば可能性は広がる気がします。広場があって「ここで何が出来るの?何をすれば?何で広場があるの?」と聞くよりも、その場所で自分がやりたい事を。出来ない事もあるけど、でも工夫と好奇心で楽しむ事は充分にできると思います。iPadはそういう新しい広場な気がします。
☆美術館
今回はMoMAとメトロポリタン美術館へ。MoMAの企画展とメトロポリタンのエジプトのコーナーが面白かった。アートは、その作品にいかに自分を写し込めるか、作者の思いをくみ取れるか、そこに照らし合わせて、自分の中に何が見えるのか、感じるのか、だと思いました。
MoMAの企画展で、一人の女性アーティストが椅子に座って、希望者が彼女の前にある椅子に座って、ずっと見つめあっているというパフォーマンスをしていました。お客さんは好きなだけ彼女の前の椅子に座っていていいようです。僕が行った時は、ちょうど椅子には誰も座っていなくて、すぐに次のお客さんが座って、パフォーマンスが始まりました。そのお客さんは結局50分くらい座っていて、目と目を見つめあっていました。その間、二人ともに目をそらさないで座っているのです。僕もそばからずっと見ていました。アーティストと、その前に座っている人の心の微妙な変化を感じました。同時に僕の中にも変化を感じました。不思議なフィーリングです。50分くらいすると、ふいにお客さんは立ち上がって、すっとどこかに行きました。最後は一体感がありました。始めは緊張感や探り合う空気がありましたが、それが、ただ目を見つめているだけで変化する、変化したように感じる自分がいるということが面白くて、心を映せることがアートだと思いました。上手く説明できませんが。そしてまた次のおじさんがその椅子に座りました。彼は15分くらいで席を立ちました。心のトリートメントに近い感じがしました。
僕が以前に監督した「LIFE」という映画は美術館で(今はモニターもフラットで壁にかけられるし、9分なので簡単に見られるし、セリフもないのでどこの国の人も内容が分かるので)、絵と一緒に飾って100年後までも見て欲しいと思って作ったので、 こういう所で他のアートと一緒に見て欲しいなあと思います。
このEXHIBITIONのページ。今月いっぱいは生中継しています。
http://www.moma.org/visit/calendar/exhibitions/965
☆NYの感想
ある場所に行くことになった時に、自分にとって「どういう意味があるんだろう?」と考えます。なぜその場所に行くのか。行くことになったのか。
普段行って落ち着くのはヨーロッパで、時間の流れ方もゆっくりだし、芸術が溢れているし、カフェもいっぱいあるので休みながら自分のペースで過ごせます。芸術面ではやはりパリが世界の中心だなあと思います。で、ニューヨークはやはりビジネスの街です。そういう意味でこちらも紛れなく世界の中心で、時間の流れも速いし、世界中で動いている経済活動の息をダイレクトに感じます。NYにいると、舞台の上に立っている気分になります。世界という名の芝居、自分という名の芝居のステージに立っている感覚。きっと誰もがそう思えてしまう不思議な街。
ニューヨークは僕が23歳の時、自分が何の職業に就くか悩んでいた頃に初めて行きました。役者になるか、映像製作の会社に入るか悩んでいた時期です。
当時、ニュージャージー側から夜のマンハッタンを見ていて、輝く光を見ていたら、自分もがんばらないと、この光に飛び込もうと思いました。その光の中には大勢の人がいて、みんな楽しく幸せになるために生きている。僕も走り始めないと、と思いました。「考えていてもしょうがない、走り始めよう!走り始めて、まわりの景色が見えるようになったら、行き先を決めればいい、とにかく動こう!」と。色々と頭で考えてしまっていた自分の背中を押してくれた街です。まずは役者の道をスタートさせて、その後、運良く監督業も始められました。僕がやりたいことは、芸術の面も有り、多くの人に見てもらうためにビジネスの面も成立させなければなりません。その空気を、たまにパリやニューヨークで感じさせてもらっている気がします。最近やっと、走る事の楽しさが少しずつ分かってきました。自分という名の舞台に立つ面白さが分かり始めた気がします。
最初の決意から16年後、2008年にハッピーフライトというメジャー映画で主演作品を撮り終えた時にNYに久しぶりに来ました。そして今回、「三代目明智小五郎」という連続ドラマの主演作を無事に完成させたタイミングでまた来ました(NYは3回とも仕事で)。ドラマは自分なりに満足の行く内容になりました。とことんまでコメディを追求できる作品でした。見た人が幸せな楽しい気分になれて、その上で少しだけ人生に秘められた大切な何かを感じられる作品。子供の頃からコメディが好きで、10代でコントを作り始め、役者をやり始めてからも、人生の多様な面を表現するために、様々な感情や出来事に隠されたコメディの部分を追求してきましたが、この作品で自分なりにやりきった感じがあるので、これからは役者として、また違う部分を追求していくような気がしています。そういう意味で今回のNYは、次の段階に行こう!というタイミングだという気がします。また初心を思い出して、自分なりにこの世界を泳いでいく。これからもしっかりと前を見て歩いていこうと思いました。のんびりした性格なので、時には走って、休息して、進む、と。
旅の向こう側へ。
Life is Journey for fun.
2010年5月1日
明智クランクアップ 2010/05
三代目明智小五郎の撮影も4月下旬で無事にクランクアップしました。2日で1話(30分)を撮り、家に帰ってからも次の日の準備とその先の構成・ネタを練ったり、1ヶ月半、とにかく走り抜けた感じです。1カットもやり残した事はなく、ああすれば良かったと思う部分もなく、自分の好きな誇れる物が出来た気がします。宝物の10本です。これから皆さんと一緒に放送を楽しみにします。出来るだけ多くの方に見ていただきたいのですが、放送地域が限られているため(関東、関西、山陽、長崎)多くの方々に見ていただけるのは8/4のDVD BOXが発売になってからかもしれません。
とにかく前代未聞のドラマ、そしてバカをやっているうちに、いつのまにか、その先の素晴らしい現実に向かって進んでいきます。とにかく見ている人が幸せな気持ちになれるドラマを心がけています。疲れている深夜に、楽しく幸せな気持ちになって次の日が迎えられるように。
(ドラマ制作のお話は、また今度書きます)
今度放送の4話でマント君の正体が分かり、一気に物語が進んでいきます。お楽しみに!
とにかく前代未聞のドラマ、そしてバカをやっているうちに、いつのまにか、その先の素晴らしい現実に向かって進んでいきます。とにかく見ている人が幸せな気持ちになれるドラマを心がけています。疲れている深夜に、楽しく幸せな気持ちになって次の日が迎えられるように。
(ドラマ制作のお話は、また今度書きます)
今度放送の4話でマント君の正体が分かり、一気に物語が進んでいきます。お楽しみに!
2010年4月11日
ホームページ 2010/04
友人から教えてもらったのですが、googleが世界中のホームページを評価しているgoogleランキングというのがあるらしいのですが、僕のtwitterのページ(http://twitter.com/tanabe1969)がランク7になっているそうです(10段階評価)。ランク7は日本のtwitterの中では一位で、さらに日本の全ての個人のホームページの中でも一位らしいです。2010年の初頭に開設2ヶ月でそうなったようです。何にしても一位というのは嬉しいし、日本で一番というのは人生上初めてだし、それは全て見てくれる方のおかげなので、本当に本当に感謝です。ありがとうございます。これからも自分のペースで楽しみながらデジタル街道を歩いていきたいと思います。
デジタル活動略歴***1996年に日本の芸能界で初のブログ、BBSを開設。1997年、1998年通産省デジタルパブリッシンググランプリを2年連続でデジタルアーティストとして受賞。1997年日経パブリッシンググランプリをデジタルアーティストとして受賞。1999年、日本初のフルデジタルDV撮影・フルデジタルDTV編集の映画でベルリン国際映画祭フォーラム部門正式招待・劇場公開。2009年10月、日本人俳優初のTwitterアカウント開設。
http://www.gprl.org/Page-rank-7/index.html
デジタル活動略歴***1996年に日本の芸能界で初のブログ、BBSを開設。1997年、1998年通産省デジタルパブリッシンググランプリを2年連続でデジタルアーティストとして受賞。1997年日経パブリッシンググランプリをデジタルアーティストとして受賞。1999年、日本初のフルデジタルDV撮影・フルデジタルDTV編集の映画でベルリン国際映画祭フォーラム部門正式招待・劇場公開。2009年10月、日本人俳優初のTwitterアカウント開設。
http://www.gprl.org/Page-rank-7/index.html
2010年4月3日
B/D 2010/04
誕生日。タナベOS4.1にバージョンアップしました!全国の本日生まれの方、おめでとうございます。春ですね。僕も日々、楽しみながら努力しながら少しでも前進したいと思います。これからもよろしくお願いたてまつり申し上げまする!
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