2009年も折りかえし後半に突入しました。今年の頭は昨年末から撮り始めた「神の雫」(1~3月連続ドラマ、全9話)の撮影で幕が開け、1月の上旬からは平行して「空飛ぶタイヤ」(3~4月連続ドラマ、全5話)の撮影。神の雫はもともとコミックを読んでいて、ドラマの毎回の展開も楽しみで、参加できて嬉しかったです。タイヤは骨太な社会派人間ドラマ。シナリオ、展開ともに練られていました。各立場の人の多面的な感情、人間同士のぶつかりが多角的に表現されていました。3月中旬には両方とも撮影が終わり、3月下旬に「ふたつのスピカ」(6月~7月連続ドラマ、全7話)の撮影にイン。若い役者さん達の感情表現もとても素直で新鮮で素晴らしかった。忘れていたものをたくさん思い出した。これは今オンエアしていますが、まわりの大人が意外にも夢中になっていて、あらためて青春と呼ばれる時代の大切さと輝きを感じます。シナリオも、誰かが良いセリフを言おうとすると誰かがちゃんとちゃかして真剣ぽくしない所がリアルでよかった。
スピカの撮影が空く4月下旬から3週間ほど「ブラック会社の勤めているんだがもう俺は限界かもしれない」(映画、2009末公開)の撮影に参加。ずっとスタジオで8人で芝居をしていたのが面白かった。芸達者な人も多く、ストーリーもてんやわんやの連続ですごく面白かった。5月中旬にブラック会社がクランクアップし、スピカの撮影に戻り、6月の上旬にスピカの撮影も終了。
数日後、名古屋へ。NHK名古屋制作の「気骨の判決」(単発ドラマ、8月放送)の撮影。史実を基にした骨太なドラマ。約2週間の名古屋生活でひつまぶしなどの美味しいものも満喫。6月25日、名古屋から東京に帰り、そのまま渋谷のNHKに行き「あべ一座」(舞台収録、8月放送)の顔合わせ。これは3月頃にお話を頂いて、「あべ」じゃないのになんでだろう?と思ったんですが、理由を聞いて納得。さすが宮藤さん、面白いことを考える。7月11日の本番に向けて稽古が始まった。稽古は実質10日くらい(5時間が5日、8時間が5日くらい。)それで2時間半のステージを作れるのだろうか。普通の舞台は1日8時間の稽古を一ヶ月、本番が始まっても日々修正。しかし今回は時間がない、さらに本番は一回。出演者も100人以上でコーナーも多い。でもなんとか稽古をみっちりと重ねて重ねて本番。最終的に全通しの稽古が終了したのが本番当日の17時半。本番は18時半、ぎりぎりまで調整。そして幕が開いた。ものすごく楽しかった。いろんな役をやった、あまり一つ一つ難しく考えずに、なんでもやって、楽しんで、田辺のままでいいんだよ、というメッセージを感じた。いろいろなことで悩むことも多いけど、今回の仕事をやった意味がそこにあるのかなあと思った。出演者とスタッフ、3000人の観客が一体となってとにかく突き進んだ。幕が開くまで阿部サダヲさん、阿部義晴さん以外の出演者は全てシークレット、内容も一切知らされていない。お客さんには目の前で次から次へと繰り広げられる奇想天外のステージを楽しんでもらえたようでよかった。
宮藤さんとの仕事は4回目、いつも考えもしなかったことをさせてもらい、とても面白い。歌、踊り、5つの役、MCをやった。とても楽しい時間だった。次の日の仕事が朝早かったので打ち上げには参加せずに帰った。2009後半もがんばります。